低温長時間発酵法|パンが美味しくなるその理由

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パン作り

低温長時間発酵|眠っている間に生地が美味しくなる!?

パン作り工程

パン作りってとてつもなく時間がかかるイメージがありますね!
最近は「時短」を売りにしているパンもありますが、やはりそれなりに
時間はかかる。それがパン作り!
では、もしこれからパン作りを始めてみようかな!と言う方がいらしたら
どんなふうに作業を進めていくのか下記を参考にしてくださいね。

ミキシング(捏ね)

一次発酵(フロアタイム)

分割、ベンチタイム(休ませる)

成形(形を作る)

最終発酵(ホイロ)

焼成(焼く)
基本はこんな感じです。

この中の工程でどの部分がパンを美味しくするかと言うと、
私は一次発酵だと思っています。
特に「ウメの」で使うホシノ天然酵母は発酵がゆっくりなので低温長時間発酵になります。

低温長時間発酵について、一つ勘違いしてもらいたくないのは、
長い発酵時間、ずっと生地を見張っていないと言うわけではありません。
逆に考えると、発酵時間は私たちも休憩していいのです。
では、ゆっくりと発酵させている間にどんな事が起きているかを考えてみましょう♪

低温長時間発酵|ゆっくり発酵させている間におきている事。

①水和
小麦粉と水の水和。保水性が向上することで焼きあがったパンはもっちり、しっとりが
長続きします。
②分解
微生物(麹)の力による小麦粉の分解。分解の過程の中でアミノ酸をはじめとする
旨みや甘み成分を作り出す。
③発酵
酵母によるアルコール発酵。発酵生成物による香りや風味の醸成。
※十分に生地を熟成させて時間をかけて作ったパン生地はその分、
日にちが経っても美味しい。
このように長時間発酵で得られるメリットはとても大きいのです。

グルテンは悪者?

最近良く聞く「グルテンフリー」と言う言葉。
もちろんグルテンが体質的に合わない方もいると思います。
でもパン作りが大好きな私としては少し寂しくなります。
もちろん摂り過ぎは良くない。(なんでもそうですね!)
では、グルテンと上手く付き合う方法を考えてみませんか?
それは、グルテンを避ける以外に消化を助けてくれるパンを選択する事。

具体的には、
①全粒粉のパンを食べる。
食物繊維がグルテンによる腸の負担を和らげてくれる。
②しっかり火を通す。
デンプンが生焼けだと腸に負担がかかります。流行りの高加水のパンなんかは、
お店のオーブンなら焼けても家庭用のオーブンの場合はどこまで水を増やしていくかは
レシピをよく考える必要があります。
低温長時間発酵
低温長時間発酵のパンは発酵中にグルテンが分解されて消化が良くなります。

低温長時間発酵で作るパンはグルテンを避けたいと思っている方にも
おススメのパン作りなんです!

『酵母選びは暮らし選び』

低温長時間発酵のメリットはパンを美味しくする以外にも、
「それぞれのライフスタイルに合わせたパン作りが出来る」
これはとても大きな事だと思います。
通常の短時間で作るパンでも、どうしても3時間位はかかるので、
その時間を確保するのは意外とハードルが高かったりしますが、
低温長時間発酵なら一日目は「捏ね」寝ている間に「一次発酵」
翌日は残りの作業。と言う感じになるので家事や仕事の隙間時間に出来るのです。

私はパン作りを無理なく続けるには、
どう暮らしにフィットさせるかが重要だと思っています。
ホシノ天然酵母で、無理なく隙間時間を上手に使い、明日のパンが焼けた♪
なんて風になればいいな~と思っています。

低温長時間発酵で効率的に最大限に美味しく!

結論、「ウメの」では家庭でのパン作りに取り入れやすい、
冷蔵庫を使った低温長時間発酵をおすすめしています。
では、そのやり方は?となりますが、
簡単に言うと途中まで発酵させて、残りは明日!です。

例えば、このカンパーニュの生地。捏ね上がった場所に印をつけて、
発酵させます。

パンによりますが、そこから1.5倍位まで膨らんだら冷蔵庫に入れて
酵母には眠ってもらいます。

そして翌日、冷蔵庫から出してまた酵母に働いてもらう。
そんなイメージです♪

発酵のコントロールがうまく出来るようになるとパン作りは一気に日常のものになります。
この方法は家庭製パンにおいて一番効率的で美味しいパンが焼ける方法だと
私は思っています。(もちろん好みはあります。)

まとめ

低温長時間発酵のパン作り。
興味を持っていただけたら嬉しいです。

この製法は題名の通り、眠っている間に生地が美味しくなる。
そんな夢のような話ある?って感じですが(笑)
本当です。
もちろん何も考えずに冷蔵庫に入れておけば美味しくなるわけではありません。。
しっかりとした理論、技術が必要です。

美味しいパンが焼ける。
消化に良いパンが焼ける。
ライフスタイルに組み込みやすい。

低温長時間発酵。やらないなんてもったいないですね!


この記事の著者

ume_no

1977年8月生まれ。幼い頃から何かを作る事が大好きで、働きながら数年間通ったレコールバンタンでパン作りに触れ、その面白さの虜になりました。卒業後も様々な教室でパン作りを学び、
天然酵母パン教室yuchipanを経て,
お米由来の酵母と和食材を使ったパン教室『 ウメの』を開業し現在に至る。

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